万年筆

なぜ今、万年筆なのか?デジタル時代に手書きが生む価値

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私は、中学生のころから40年以上万年筆を使っています。祖母が日記帳を書く時に使っていた黒くて上品な万年筆に、憧れました。祖母の書く文字は達筆で、大人って素敵だなと思って見つめていたものでした。

その後、携帯電話やパソコンが普及してきましたが、万年筆という手書きの筆記具は、消滅することなく現代でもたくさんの方に愛用されています。

そんな万年筆の魅力とは何なのか、追求していきます。

1.デジタル時代における手書きの意味

中学生のころ、いつも祖母が使っていた万年筆が机の上に置いてありました。そっと持ってみると、鉛筆よりも重くなんだか手の届かないブランド品に触れたみたいで、緊張したものです。

パソコンやスマートフォンが当たり前になった今でも、万年筆を使って手書きで書く、ということは私にとって特別で、落ち着く感覚があります。

仕事で行き詰まったとき、パソコンを落として、万年筆でノートに頭の中に浮かぶことを書き出してみると、そこから新しいアイデアが浮かんでくるのです。デジタルは便利ですが、別の意味で万年筆の手書きの良さを実感してきました。

ブログ記事の構成を考えるときには、手書きの方がスムーズに思考が整理されると感じています。万年筆で書くと、自分の言葉として頭の中が整理され、次々と言葉が浮かんでくるのです。

あるとき、友人に手紙を書いたら「手書きの文字の手紙は、メールよりもうれしかった。気持ちがこもっていた」と言われました。万年筆は、筆圧やインクの濃淡によってその瞬間の気持ちを表現できるので、より深いコミュニケーションがとれます。

デジタルとアナログの融合

 私自身、スケジュール管理はスマートフォンのアプリを使っています。毎朝、必ず万年筆で紙のスケジュール帳に、タスクを書き出して管理しています。インクの色を選びや紙の質感を味わう時間が、1日の始まりにモチベーションをアップさせてくれるのです。

先日、職場での会議中で万年筆を使ってメモを取っていたところ、「そのノート、後で写真に撮って送ってもらえますか?」と同僚に頼まれました。走り書きのメモでしたが、興味を持ってくれて、会議の参加者と共有するきっかけになりました。そんなハイブリッドな使い方が、今の時代らしいと感じます。

デジタルとアナログを融合させた活用方法が、今の時代に合った学びや記録のスタイルですね。これからも、さまざまな活用の方法が生み出せrてくることでしょう。

長期間使える万年筆の魅力

私が今使っている万年筆は、実は30年以上前に初めて自分で購入したものです。インクは一度れたら使い切る、ペン先はこまめに洗浄する、というメンテナンスを続けてきました。おかげで、私の書き癖に合った心地よい万年筆のひとつです。

先日、文房具店で「この万年筆、まだ現役なんですね!」と驚かれ、ますますお気に入りの1本になりました。

使い捨てのペンとは違い、手入れを重ねるほど愛着が増し、道具としてだけでなく「思い出の品」「お気に入りのひとつ」としても価値が深まっていきます。万年筆には、そんな大きな魅力があるのです。

万年筆を修理・再生するサービスも行っている文具店があります。 50年以上前の万年筆が、手入れすることで見事に生き返る姿を何度も見てきたそうです。 デジタル機器では考えられない価値です。

 2.万年筆を使うことで得られる心理的効果

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手書きが生む「心のゆとり」

忙しい毎日の中で、ついスマートフォンやパソコンばかりに頼ってしまいがちです。スマートフォンやパソコンでの文字入力は、手書きするよりも早く文章を書くことができるからです。しかし、万年筆で手書きすると、不思議と心が落ち着きます。

仕事で大きなミスをして落ち込んだ日、帰宅してから万年筆を手に取り、ノートにその日の出来事や感じたことをひたすら書き出しました。手を動かしながら、インクが紙にじわりと広がるたびに、心の中の重たいものが少しずつ軽くなっていく感覚がありました。

とにかく思ったこと感じたことをすべて書き終えた後、ノートを見返すと、頭の中が整理されていました。ゆっくりと深呼吸をすると、次にやるべきことが自然と見えてきました。

手を動かしながら思考が整理され、気づけば深呼吸している自分がいました。デジタル入力では得られない、「心のゆとり」を得ることができたのです。

万年筆が育む「自己肯定感」

手書きにはもうひとつ、大きな心理的効果があります。それは、自己肯定感の向上です。万年筆を使って日記や目標を書き続けると、小さな達成感が積み重なります。

私は、毎朝のルーティンで、万年筆で「今日やることリスト」を書き出しています。1つタスクを終えるごとに、濃いインクで丁寧にチェックを入れた瞬間、小さな達成感とともに「今日も自分は頑張っている」と前向きな気持ちになれます。

毎日こうして積み重ねることで、自分で自分に「よくできた」「がんばった」と、自信を肯定し自信がもてます。

万年筆の滑らかな書き心地と、インクの美しさが、書く楽しみを後押ししてくれます。この心地よさが、日々のやる気を自然と引き出してくれて、モチベーションアップにつながります。

3.万年筆が紡ぐ未来と伝統

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小学生のころ、祖母は、朝、窓際で手紙を書いていました。ゆっくりとインク瓶を開け、ペン先を浸してインクを入れるその手元は、まるで一日の始まりを祝う小さな儀式のようでした。静けさと緊張の一場面です。祖母の姿は、今でも心の奥に残っています。

祖母の万年筆を使うたびに、「書く」という行為は単なる作業ではないと痛感します。自分と向き合う大切な時間、自分の本心を知る時間になるのです。そんな伝統が、今も私の生活の一部になのです。

万年筆には、その人独特の書き癖があり、ほかの人が使うと、違う書き癖がついて書きにくくなってしまう、と言われたのを覚えています。

デジタルが日常の中心になった今だからこそ、「手書き」という行為が贅沢な時間になっています。特に万年筆で文字を綴ると、一画一画に意識が宿り、自分と向き合うひとときが生まれます。

選ぶインクの色や紙の質感までこだわることで、書く楽しみが何倍にもふくらむのです。

最近では若い世代の間でも「デジタル疲れ」を癒す手段として万年筆が再評価されています。お気に入りの万年筆を手にすることで、日々の生活に小さな豊かさが生まれます。

アナログの手書きの良さという伝統を守りながら未来へと繋ぐ、万年筆ならではの魅力です。

まとめ

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万年筆を使い続けてきた40年の中で、アナログからデジタルへと、時代は大きく変わり、時間も矢のように過ぎ去っていきます。それでも、万年筆で書く時間だけは、変わらずにゆっくりと時を刻む特別なものです。

デジタル全盛の今こそ、手書きを大切にしていきたいものです。手書きにはあたたかみがあります。自分のリズムを作ることができます。

毎日詰め込みすぎるタスクに追われて心身ともに疲れ果ててしまっているなら、一度万年筆を手に取ってみてください。きっと、自分に芯の中に新しい発見や豊かさが生まれてくるでしょう。
取ってみてください。きっと、あなた自身の中にも新しい発見や豊かさが生まれるはずです。

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