「いつも使っているボールペンが急に書けなくなった。」会議中、学校の授業中、大事なメモを取るタイミングで、インクが出ないというトラブルはよく起こります。
新品なのに書けない、少し前まで使えていたのに、急にダメになってしまったのです。「これ、インクあるのに書けません」と困っている方の話を、よく聞きます。
このトラブル、ちょっとした知識と工夫で解決できるのです。この記事では、「ボールペン インク 出ない」ときの正しい対処法を、わかりやすく解説します。
ボールペンのインクが出ない原因とは?
ボールペンのインクが出ないことには、ちゃんとした理由があります。ここでは、私の実体験と友人知人のエピソードをもとに、よくある原因を5つ紹介します。
ペン先のインクが乾燥して固まっている
以前、私は請求書にサインしようとした瞬間に、全く書けなくて慌ててしまったことがありました。思えば、デスクの上で数日放置してしまっていました。
そのため、ペン先が空気に触れて乾燥していたのです。ボールペンの先にあるボールのわずかな隙間に、インクがはいったまま固まり、回転が止まっていたのでした。
インクが芯の奥に偏っている
寒い時期に外出先でメモを取ろうとすると、ボールペンのインクがかすれて出ないことがあります。また、暑い日に同じように外で書こうとして、インクがかすれてしまうことがあります。
インクの粘度は、気温の変化で変わります。粘度が変わると、インクの流れは悪くなり、かすれたり書けなくなるのです。
気温の影響でインクが固まっている
今シーズン一番の寒さです、と、天気予報で聞き仕事にとりかかると、まだインクがあるはずのボールペンはまったくインクが出ませんでした。
油性インクは、気温により固まりやすくなります。冬の寒さだけでなく、冷房の効いたオフィスでも、気温が差がありすぎると固まる可能性があります。
内部に空気が入り、インクの流れが遮断されている
ボールペンは新品なのに書けない、長時間使っていなかったボールペンが書けない、という場合の原因は、芯の中に空気の泡が入り込んでいるからです。
私は、机の中に長時間放置してしまったペンを、ふたたび使おうとしたときにこの現象を何度も経験しました。
落下などで内部パーツがずれている
うっかり手を滑らせてボールペンが落ちたとき、衝撃を与えてしまうと、ペン先か内部のパーツがずれてしまうことがあります。
ほんのわずかな衝撃だけでも、ボールの回転が悪くなり、インクの流れが滞ってしまいます。それほど、ボールペンという筆記具は、繊細な構造をしているのです。
すぐ試せる!ボールペン復活7つの方法

特別な道具を使わず、家にあるものだけですぐにできる「ボールペン復活の方法」があります。ここでは、簡単にできる7つを紹介します。
紙の上で「ぐるぐる書き」してみる
私は、ボールペンを使っていて、書けないなと思ったら、強く筆圧をかけて紙にぐるぐる書いてみます。強くボールペンを紙に当てていると、固まったインクが流れ出してボールが回転し始めます。これで、ボールペンがまた、書けるようになるのです。
ペン先を軽くトントンとたたく
以前、筆記具好きの友人が教えてくれた方法です。まず、机の上にティッシュを折りたたんで置きます。机に傷をつけないためです。
それから、ボールペンのペン先をティッシュの上でとんとんと軽くたたきます。やさしく、リズミカルにとんとんとたたいてください。力任せに強くたたくと、ペン先がつぶれてしまうので、注意しましょう。
内部でたまっていたインクが動いて、再び書けるようになります。
ペンを上下に振る
外出時に、ボールペンがでないときに、簡単な方法といえば、キャップ側を上にして、数回振ることです。
芯の中でインクが前方にでてきて、書けるようになります。横向きで保管していたもの、動いてインクがかたよってしまった場合に有効です。
ぬるま湯でインクをゆるめる
ペン先のインクが固まっている場合は、ぬるま湯につけて温めるのが効果的です。40℃前後のお湯に5〜10秒ほど浸けてから、ティッシュで水分をしっかり拭き取ってください。このとき、熱湯は避けてください。樹脂部分が変形する恐れがあります。
私は、気温が低くて寒いと感じる冬の日にこの方法で、何度もボールペンを復活させました。
ドライヤーの温風をあてる
ボールペンのインクがでないときに、あたためる方法のひとつとして、ドライヤーの温風があります。ドライヤーの低温モードでペン先を数秒温めてみましょう。冷えて固まったインクが溶けて、流れがスムーズになります。
ふたたびお気に入りのボールペンが使えるようになって、ほっとしたのを覚えています。
芯を抜き差ししてみる(ノック式の場合)
ノック式ボールペンの場合、芯がわずかにズレて接触が悪くなっているために、インクの出が悪くなっていることがあります。一度芯を抜いて、再度しっかり差し込み直すと、スムーズに書けます。
私も、新品なのにインクが出ず、芯を入れ直すと書けるようになりったという経験があります。
手のひらで温める
お湯もドライヤーもない状況でも、インクを復活させるために両手でボールペンをあたためるという方法があります。
ボールペンを手のひらで包み10〜20秒ほど温めます。人肌の温度でインクがやわらかくなり、自然と流れが戻ることがあります。寒いとき、手に息を吹きかけて両手をこする仕草で、手の間にボールペンがあるといったイメージです。
対処法を試してもダメなら?買い替え前に確認すべきこと

インクが本当に残っているか?をチェックする
ボールペンや替え芯を買い換える前に、まず確認したいのが「インクの残量」です。私も以前、お気に入りのボールペンが急に書けなくなり、「もう寿命か」と思って芯を買いに走りました。ところが、後で光にかざしてみると、インクがしっかり残っていたんです。原因は、ペン先に詰まったインクの乾きでした。
透明ボディなら一目で残量がわかりますが、不透明タイプは注意が必要です。そんなときは、芯を明るい光にかざして確認してみましょう。インクが残っていれば影がうっすら見え、見えなければ本当のインク切れです。
このように、ちょっとしたチェックで、無駄な買い換えを防げます。
替え芯の型番が合っているか?を再確認する
次に多いのが替え芯の型番ミスです。見た目が似ていても、メーカーごとに長さや太さ、ペン先の形状が微妙に異なります。ほんの1mmのズレで、インクが出なくなることも。
私自身、以前にLAMYの替え芯を別ブランドに入れてしまい、全く書けずに首をかしげたことがあります。その後、型番を確認して新しい芯に変えたら、スムーズに書けました。
ボールペン本体には、小さく「型番」や「メーカー名」が刻印されています。購入前に必ず確認し、公式サイトや文具店で、互換性”を確かめることが大切です。芯を入れたままボールペンごとお店に持っていき、店員さんに見てもらうのが確実です。
不良品の可能性もあり
新品のボールペンを使い始めた瞬間、インクがまったく出ず、何度書いても白い紙に線が浮かびませんでした。お気に入りの一本だっただけに、「まさか不良品?」と落胆したのを覚えています。
調べてみると、出荷時や輸送中の気圧・温度変化でインクが詰まることがあり、1,000本に1本ほどは最初から書けないこともあるそうです。
試しにメーカーへ連絡すると、丁寧に対応してくれ、新しいボールペンをすぐに送ってもらえました。インクが出ないときは、迷わずに、メーカーへ相談してみるのが一番です。
まとめ

ボールペンが書けなくなると焦って捨ててしまいがちですが、多くの場合はシンプルな原因と対処法で解決します。
原因を知る → 正しい方法を試す → 替え芯や交換を検討するという順番で対応すれば、大切なペンを無駄にせず、ストレスも減らせます。
また、日頃の使い方を少し見直すだけで、同じトラブルを繰り返さずに済みます。今後、急に「インクが出ない」という場合には、ぜひこの記事の内容を思い出して、落ち着いて対処してください。
お気に入りの一本を、仕事のパートナーのように、ぜひ長く育てていってください。
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