万年筆を手にするきっかけは人それぞれです.「最初の一本を何にするか」でその後の万年筆に対する印象が大きく変わります。
私自身、初めての万年筆を手にした日のわくわく感を今も鮮明に覚えています。当時は種類が多く迷った末に、最終的に選んだのが「LAMYサファリ」でした。文具店を営む私に、時には仕事のメモ、時には旅行先の日記にと、10年以上寄り添ってくれている一本です。
本記事では、私の経験を交えながら「なぜサファリが初心者に最適なのか」をお伝えしていきます。
LAMYサファリとは? 基本情報と人気の理由
ドイツ生まれのLAMYは、シンプルで機能的なデザインで知られる筆記具メーカーです。代表格が1980年に誕生した「サファリ」というシリーズです。
実際に手にすると分かるのですが、ABS樹脂製のボディは軽さと丈夫さのバランスが絶妙です。学生にも社会人にも愛されてきた理由が理解できます。
私がこの万年筆を本格的に使い始めたのは、仕事を始めてからのことです。外出先でメモを書いたり、会社に戻って報告書を書いたり、慌ただしい日常の中で、気軽に使えて書きやすい筆記具を探してたどり着きました。
以来、ずっと使い続けていますが、壊れることもなく、むしろ手に馴染んで愛着が増してきました。万年筆は、つかい続けているとだんだん自分の手になじんできますね。さらに、ボディのカラーが豊富なので、仕事とプライベートで色分けして楽しんでいます。
人気の理由を一言で表すなら「丈夫で気軽なのに、所有する喜びがある万年筆」だと思います。
初心者に優しい4つのポイント
私が使い始めてまず感動したのは、インク交換の手軽さでした。子どもの頃、祖母が使っていた万年筆を試しに触ったときは、インクで手を汚してしまいしかもなかなか落ちなかったので、少しだけ怖さがありました。けれど、LAMYサファリはカートリッジを差し込むだけで完了します。「これだけ?」と思うほどスマートでした。
さらにLAMYサファリの三角形のグリップは自然と正しい持ち方に導いてくれるので、書き続けても手が疲れにくいです。レポート用紙10枚以上の報告書を書いたときも、手や腕の疲れを気にすることなく書き続けることができました。ノートにもペン先がひっかかることがなくスムーズに書けるというのも、魅力の一つだと実感しています。
LAMYサファリの透明ボディのモデルを選ぶと、残りのインク量がすぐわかります。「途中で書けなくなったらどうしよう」という不安もなく、外出先でも楽しんで使っています。また、ブラックやブルーブラック以外のカラフルなインクを選ぶと、見た目がおしゃれです。
これらの体験を通して、LAMYサファリは、万年筆初心者が抱くハードルを、かなり低くしてくれます。
初心者向けのポイント4つ
1.簡単なインク交換システム
2.三角グリップの効果
3.紙を選ばない万能性
4.スケルトンモデルの魅力
LAMYサファリの選び方ガイド
ペン先の種類と用途
| ペン先 | 線幅 | 特徴 | 最適な用途 | おすすめする人 |
|---|---|---|---|---|
| EF(極細) | 約0.3mm | 非常に細い線 | 細かいメモ、緻密な図表 | 小さな文字で書く方 |
| F(細字) | 約0.5mm | 日本人に最適な細さ | 日常筆記、ビジネス文書 | 初めての方(70%にベスト) |
| M(中字) | 約0.7mm | 適度な太さで視認性◎ | 署名、英語の筆記、日記 | 主張のある文字を好む方 |
| B(太字) | 約1.0mm | 存在感のある太さ | 見出し、アート創作 | 個性的な文字を書きたい方 |

ペン先とボディカラーの選び方
LAMYサファリを始めて使うときに悩むのが、ペン先の太さについてです。私は一般的なF(細字)を選びました。日常のメモやビジネス用途、スケジュール帳への書き込みでは、細字はとても重宝しました。
ところが、日記を書くときにもっと大きな文字でのびのびと表現したくなりました。特に手紙では、大きく堂々とした文字の方が見栄えもよいのです。そこで、後日M(中字)を追加購入しました。「同じ万年筆でもペン先が違うと、文字に込められるニュアンスまで変わる」と感じたのです。
仕事では落ち着いた細字のF、趣味ではのびのびとした中字のM、と、服を着替えるように気分で使い分けができるのも、サファリの楽しみ方のひとつです。
ボディのカラーは定番のブラックやホワイトならビジネスでも安心です。学生さんにはブルー、個性を出したい方には毎年登場する限定色もおすすめです。
私は、取引先の方と対面してメモする時には、白いボディのLAMYサファリを使っています。日記を書く時やスケジュール帳には、限定カラーのイエローを使っています。ほかにも、文具店とのコラボで限定カラーがでることもあるので、チェックには欠かせません。
インクシステムの選び方
万年筆を使い慣れてくると、カートリッジだけでなくコンバーターを使ってボトルインクを楽しみたくなります。
私も、使い始めてから数年目に、コンバーターを買って挑戦しました。初めてボトルから吸入した瞬間、インクの鮮やかさに驚き、気分が高揚したのを覚えています。
旅先で地域限定のインクを購入し、LAMYサファリの万年筆に入れてホテルで日記を書いたことがあります。日記のページをめくるたびに旅の記憶が蘇ってきます。こうした「自分だけの色」を持てるのも、万年筆の大きな魅力です。
気軽なカートリッジもいいですし、コンバーターを使うと、インクの色を選ぶ幅が広がります。
まとめ

LAMYサファリは、単なる「初心者向け万年筆」ではなく、使い手の成長に伴って表情を変えてくれる相棒のような存在です。
私にとっては、社会人として駆け出しの頃から現在までを支えてくれた道具であり、思考や感情に寄り添ってくれて共に記録してきた仲間です。
万年筆を「難しいもの」「使いにくそう」と思っていた方も、LAMYサファリなら「書く」ことの自由さと楽しさを感じられるはずです。万年筆としての最初の一本に選ぶだけでなく、長く寄り添ってくれる一本としてぜひ手に取って欲しいのが、LAMYサファリという万年筆です。

コメント